2017年9月10日日曜日

【報告】真実はどこに?:2017.9.5.第ニ次イネ裁判第19回目「平八重一之」氏の証人尋問の実施&次回は11月8日(水)午後1時半

この文化の発展の最後に現れる「末人」たちにとっては,次の言葉が真理となるだろう。「精神のない専門家,魂のない享楽的な人。この無にひとしい人は,自分が人間性のかつてない最高の段階まで登りつめたのだと,自惚れるだろう」(マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」)
一つの内部告発が情報公開の限界を打破し、世界を救う。 もうひとりのスノーデンは可能だ。

9月5日、予定通り、被告側の植物病理学専門で病害研究室長(当時)の平八重一之氏の証人尋問を実施。  

提出書類
原告  準備書面(15) 証拠説明書(14) 甲59~63 
被告  準備書面(12) 証拠説明書 乙18~20

原告準備書面(15)は、前回の被告準備書面(11)に対する反論。
被告準備書面(12)と乙18~20は、前回期日での原告主張(被告準備書面(11)6頁の(6)に、いもち病菌に対する抗菌活性実験の中身が詳述されているが、この裏付けとなる証拠が出ていない。 次回証人尋問までに裏付証拠を提出されたいと要請)を検討したもの。

平八重氏の証人尋問
1、争点
争点は、2つの実験を平八重氏が担当したか否か、です。
つまり、
(1)、「2つの実験」とは、本研究プロジェクト()で実施されたイネの病原菌に関する次の2つの実験のこと。
①.粉末のディフェンシン蛋白質とイネの病原菌を接触させて、どれくらい病原菌に強いかを測定する「抗菌活性実験」(以下の写真1)
②,ディフェンシン遺伝子を挿入した遺伝子組換えイネを栽培して、このイネがどれくらい病原菌に強いかを測定する「耐病性評価実験」(以下の写真2)

                           写真1

(論文「抗菌蛋白質ディフェンシンの多様な機能特性」より)

                          写真2
(被告発表資料「野菜由来の新規ディフェンシン遺伝子を導入したいもち病抵抗性組換えイネ系統」の図1より)

) 本研究プロジェクトとは、1998年から、被告の北陸研究センターでスタートした、アブラナ科のディフェンシン遺伝子をイネに組込み、複数の病害に強い遺伝子組換えイネを開発し、栽培する研究プロジェクト。

(2)、「平八重氏」とは、本研究プロジェクトの共同研究者の一人として至る所に名前が掲げられ(例えば->成果情報 実験計画書など)、イネの病原菌などの植物病理学が専門で、当時、被告北陸研究センターの病害研究室長だった人物。
(3)、従って、植物病理学専門で、当時、被告北陸研究センターの病害研究室長だった者が植物病理学の典型的な実験である「抗菌活性実験」と「耐病性評価実験」を担当しなくて、誰が担当したのだろうか、が問われた。

2、被告主張
 被告主張の骨子は、次の通り。
①.本件の「抗菌活性実験」も「耐病性評価実験」も、平八重氏は担当していない。
②.上記2つの実験を実施したのは川田元滋氏の研究チームのメンバーである。
③.「抗菌活性実験」の実験手法は、分子生物学の研究者なら文献を読まずに困難なく実行できるから。
④.平八重氏の本件「抗菌活性実験」「耐病性評価実験」に対する協力はいもち病菌を選定し、培養して川田氏に提供したこと、「耐病性評価実験」ではさらに、実験手法・実験結果の評価方法を川田氏のチームのメンバーに指導・伝授したことである。
         ↑
3、上記主張に対する疑問点
①.乙17の論文の謎:いもち病菌の選定・提供だけで、どうして平八重氏が「抗菌活性実験」の論の共著者になったのか。
②. 本件の「抗菌活性実験」はいもち病菌というカビの実験であり、分子生物学の標準的な実験手引書にもカビの項目はない。→「耐病性評価実験」と同様、以下の実験の手法、評価、カビの取り扱いに熟練者のノウハウが必要。
(1)、カビの均一濃度の確保
(2)、添加後の環境条件の設定
(3)
、カビの増殖抑制の評価
(4)、カビのコンタミ(混入)防止
③.「耐病性評価実験」の発病の評価については、平八重氏も《どのようなものを病斑とみなすのか、病斑の面積をどのように評価するのかなど、豊富な経験に基づく知識や経験がないとこれらを適切に行なうことができません16平八重陳述書9頁4~6行目)と自認しているのに、どうして、すぐ隣にある川田氏のチームの研究室まで足を運ぶのを惜しんだのか。
④.前任の病害研究室長(中島敏彦氏)は「耐病性評価実験」を担当した証拠がある公開特許公報1頁目で発明者として表示。耐病性評価実験」の論文の共著者として記載。であれば後任の平八重氏この実験を引き継ぐのが最適の筈なのに、どうして担当しなかったのか。
⑤.本来なら、2003年から2005年3月まで屋内で「耐病性評価実験」を担当し、この間の実験結果に通じている者が引き続き、2005~2006年の屋外で「耐病性評価実験」を担当するのが最適。ところが、本件ではそれまでの屋内実験を担当したとされる川田チームの者が屋外実験を担当せずに、なぜそれまで担当してこなかった平八重氏が急きょ担当することになったのか。
         ↑
4、上記疑問に対する被告の回答
①に対して:いもち病菌の選定には、植物病理学に対する高度の技術と専門知識が必要だから(被告準備書面(11)2頁8行目)、その大いなる貢献を評価され、論文(乙17)の共著者になった。
②に対して:カビの「抗菌活性実験」の手法、評価については、川田チームが乙19の論文から独自に入手した。
③に対して:川田チームの者が病害研究室に出向いて来たので、彼らに豊富な経験に基づく知識や経験がないと適切にできないノウハウ」を伝授した、とくり返すだけ。
④に対して:明快な説明なし。なお、平八重氏は2003年4月、病害研究室長着任に際し、前任者の中島氏から引継ぎはなかったと証言。なかった理由も明らかにしない。
⑤に対して:屋内と屋外の実験ではいもち病菌の接種の方法がちがったからと説明。
         ↑
5、上記回答に対する原告の再反論
①に対して:論文(乙17)で、平八重氏が選定したいもち病菌はいずれも、被告が1998年に、当年度の成果情報として、29種類のイネいもち病菌を標準株菌として公表したもの(->こちら)であること。他方、イネの病原細菌を選定して提供した畔上耕兒博士は
論文末尾(6頁)で「謝辞」にとどまっていること。つまり、平八重氏が論文の共著者なのは、「病原菌の提供」以上のもっと積極的な貢献があったからである。
②に対して:乙19の論文の該当の説明箇所中の「約2000胞子または菌糸片」「所定の培養期間」について平八重氏に以下の解説を求めたところ、カビの熟練者ならでは詳細かつ専門的な解説があった。
(1)、2000個の胞子の集めるやり方
(2)、2000個の菌糸片の作り方
(3)、培養期間の決め方

③に対して:「川田チームの者が聞きに来たから教えてやったまで、それ以上、別に訳はない」といわんばかりの対応だけ

平八重証言の評価
 

 次回までに、乙16平八重陳述書平八重証言の評価を書面にして提出の予定。

 平八重証言を評価する際の1つの手引きは「東大話法」の以下の規則。
 このメガネをかけて平八重証言を眺めた時、クリアに見えてくるものがある筈です。

    規則 1: 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
    規則 2: 自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
    規則 3: 都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
    規則 4: 都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
    規則 5: どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
    規則 6: 自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
    ‥‥

次回期日
日時:11日(火)午後時半
場所:東京地裁8階803号法廷
    民事38部 

地図 ->こちら




                       東京地裁の建物全景 

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