2015年1月31日
第二次情報公開裁判 弁護団 柳原敏夫
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野外実験はとっくに終了したのに、今ごろなに?と思われるかもしれません。
「災いは忘れた頃にやってくる」はただの格言ではありません。2011年福島原発事故で我々の頭に叩き込まれた真理です。遺伝子組み換えイネ野外実験も、私たちにとって、目に見えず、臭いもせず、痛くもない毒でした。実験の研究者が言った決まり文句も「直ちに影響はない」、「予防原則は必要ない」でした。それは2011年にそっくりそのままくり返されました。
この訓えを忘れたら、将来必ず福島原発事故に匹敵するような遺伝子組み換え事故が発生し、金川貴博さんや平松啓一さんたちが「これは夢物語ではない」と警鐘を鳴らしたように(研究者の声->こちら)、地球にもう住めなくなるような、人々の健康と地球環境に壊滅的な打撃を与えるでしょう。
福島原発事故を経験した者は、福島原発事故を知り「ギャー」という痛恨の声をあげた小出裕章さんのように無知を涙を流し、子どもたちの命を守ろうと必死になることをくり返してはならないと思います。それが、今なお、遺伝子組み換えイネ野外実験の裁判を続けている理由です。それは実験中止ではなく、人災発生の予防のためです。小保方晴子氏の「STAP細胞」と同じく、いったい、この実験で何があったのか、その真相を明らかにするための裁判です。それが彼らが行った実験の生データを記録した実験ノートを公開せよという情報公開の裁判です。
いま、その第一次情報公開裁判が最高裁に係属し、第二次情報公開裁判がスタートします。「STAP細胞」騒動で一躍世に知られたようになった「実験ノート」は実験の生データを記録した最も正確な情報です。これを市民がチェックすることにより、実際にどんな実験が行われ、私たちが最も懸念したディフェンシン耐性菌についてどんな実験結果が出たのかを明らかにしようというものです。まさに市民による先端科学技術のチェック(シビリアンコントロール)です。情報公開を通じた市民のシビリアンコントロールを通じてしか、たえず熾烈な競争で狂走を強いられて理性を半ば失いかけている先端科学技術(その狂騒ぶりと無残なごまかしぶりは「STAP細胞」騒動で明らかにされましたが)がもたらす暴走と人災の発生を食い止める最終的な方法はない(良心的な科学者の努力だけではおのずと限界がある)、こうした信念のもと、実験ノートの情報公開裁判を続けています。
10年前の遺伝子組み換えの実験は終わっていません。実験の危険性について解決したものは何一つありません。「STAP細胞」事件も終わっていません。臭いものにふたをしただけで、片付いたものは何一つありません。先端科学が抱える本質的な矛盾と危機は単に先送りされただけです。このつけは将来必ず払わされます、福島原発事故に匹敵するような巨大な人災発生として。これを防止するために、本気で取り組む必要があります。
とはいえ、こうした社会的事件を扱う裁判は、弁護団の努力だけではいかんともしがたい限界があります。多くの市民の支援・協力があって、初めて裁判も前進します。放射能と同じで、目の前で、今すぐ被害が発生しているように見えませんが、予防原則こそ子どもの命を守る最大の武器であるという真理に立ち返って、予防原則を実行する私たちの情報公開裁判に支援・協力をお願いする次第です。
以下が、本日、裁判所に提出した第二次情報公開裁判の第1回目の主張書面と証拠の説明書です。
現状を率直に申し上げますと、この間の裁判の裁判費用のため、カンパが底をつきました。皆様から千円でもよいので、以下の口座までカンパいただけたら第二次裁判を継続することが可能となります。
ご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
銀行 東京三菱UFJ銀行
支店 広尾支店
名義 動的平衡基金 代表 神山美智子
種別 普通預金
口座番号 0198271
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