第三次実験ノート裁判(一審)は、9月22日に最終弁論を行い、審理終結となり、判決言い渡しが12月22日(水)午後1時25分と決まりました。
皆さんの傍聴をお待ちします。
◆関連情報
9月14日に提出した原告の最終準備書面 記事->こちら 全文PDF->こちら
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日時:12月22日(水)午後1時25分
法廷:東京地裁5階522号法廷
担当部:民事第3部
地図 ->こちら
今年6月16日に実施された原告の大庭有二さんの本人尋問、その証言記録が出来上がりました。
大庭さんは単に原告として証言したのみならず、一介の研究者として実験ノートを作成してきた経験と知識について貴重な証言をしました。
是非、一読下さい。全文のPDFは->こちら
本日4月21日、口頭弁論が開かれ、原告の大庭有二さんの本人尋問を実施することが決定しました。
これは、前回2月24日の弁論期日の1週間前に、原告から原告本人尋問の申請をしていたことに対する裁判所の応答です(その申請の記事は->こちら)。
この時の尋問の申請にあたっては、もう1名、木暮一啓氏の証人尋問も申請していましたが、こちらについては、本日の時点では保留とし、次回の本人尋問の結果をみて採否を決定することとなりました。
二人の尋問に対し、被告は「 尋問の必要性なし」と全面的に争いました。
問題は、裁判所。しかし、裁判所もまた、
「本訴の実験ノートの作成者でも、被告の職員でもない原告や木暮氏の話を聞いてもなあ」
と極めて消極的でした。
このままでは、尋問は却下のまま審理終結→判決言い渡しという敗訴の流れが描かれていました。
そこで、この流れに掉さすために、もし二人の尋問を実施したらこんな証言が得られるぞということを先行して示そうと、代理人と原告および木暮氏との間で実際に質疑応答した記録を文字起しして、書面化したものを作成、本日の1週間前に提出し、尋問の必要性があることを裁判所に迫ろうとしました(その書面提出の記事は->こちら)。
本日、裁判所は、弁論の途中でいったん退廷し、別室で裁判官同士の合議をするなど緊迫した展開となりましたが、最終的に、 前回期日における消極的態度を翻して、原告本人尋問採用に転換しました。正直言ってそれは想定外であり、殆ど期待していない展開でした。
それは、偽情報を許さない実験ノートの公開の必要性と重要性を確信する原告大庭さんの執念が裁判所を突き動かした瞬間でした。
そこでは、既に提出済みの原告の陳述書(2)(その全文は->こちら)を踏まえ、実験ノートが私的、個人的なメモの類のものではないことを証明するため、さらに突っ込んだ証言を目指します。
市民の皆さん、公開の法廷での原告大庭有二さんのこの尋問を応援するために、ふるって傍聴に来て下さい。
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日時:6月16日(水)午後2~3時
場所:東京地裁5階522号法廷
民事3部
地図 ->こちら
東京地裁の建物全景
原告陳述書(2) 全文のPDF->こちら
原告の本人尋問と木暮一啓東大名誉教授の証人尋問の申請を2月17日にしましたが(その記事は->こちら)、その尋問準備のために、インタビュー形式で原告の陳述書(PDF->こちら)と木暮氏の意見書(PDF->こちら)を作成、4月15日、提出しました。
これは、《被告農研機構で作成した実験ノートは、私的、個人的なメモのたぐいのものだから開示の対象にならない。理研や京大が実験ノートを組織的なものとして開示の対象としていても、それはそちらの勝手。我々の実験ノートには何の影響も関係もない》という被告主張が真っ当な研究者なら誰が考えてもおかしいものであることを、実験ノートの根本に立ち返って考察したものです。
2011年3月11日以降、日本と世界を襲ったのは、決して、放射性物質の暴走、新型コロナウイルスの暴走ではありません。放射性物質もコロナウイルスも、自ら持っている属性、自然的メカニズムに従って動いているだけで、突然、新たな属性、行動を起した訳ではないからです。本当の問題は放射性物質による惨劇、新型コロナウイルスによる惨劇を許した我々の「先端科学技術の暴走」の側にあります。
暴走しているのは「先端科学技術」であって、放射性物質でも新型コロナウイルスでもない。このことに思いを寄せる時、私たち市民のミッションは、この「先端科学技術の暴走の防止」のためにいかにして市民のコントロール(=シビリアンコントロール)を見つけ、実行に移すかにあります。
そのコントロールの最も有力な方法の1つが「先端科学技術の真実を公開すること」です。しかし、いくら公開しても、それがウソだったら意味がありません。これまでの数々の事例が示す通り、研究者は様々な思惑、理由から、しばしばウソをつく(自殺者まで出したSTAP細胞事件がその典型)。ところが、その中にあって、唯一、ウソをつきたくてもつけないのがほかならぬ「実験ノート」。実験直後の時点で、生データに思惑を入れて、変造することは至難の業だからです。だから、STAP細胞事件でも実験ノートで研究不正の有無を判断した。
この意味で、実験ノートに記録された生データの公開こそ、「先端科学技術の暴走を防止」するため最も有力な手段である。この点を自覚した原告と木暮東大名誉教授は、どんな手を使ってでも、実験ノートを開示させないという被告の理不尽な姿勢に、真正面から異議を述べたのが今回の陳述書2と意見書6です。
私は、この書面を眺め返しながら、ここには、人類の存亡は「先端科学技術の暴走を防止」できるかどうかにかかっているという厳粛な真理を自覚した人たちの切なる願いが刻まれていると思いました。
原告陳述書(2)全文のPDFは->こちら。
木暮意見書(6)。全文のPDFは->こちら。2021年2月17日に、原告から、原告の本人尋問と木暮一啓東大名誉教授の証人尋問を申請しました。
その理由は、
「被告農研機構で作成した実験ノートは、私的、個人的なメモのたぐいのものだから開示の対象にならない。理研や京大が実験ノートを組織的なものとして開示の対象としていても、それはそちらの勝手。我々の実験ノートには何の影響も関係もない」
という被告の主張が根本的に誤ったものであることを立証するためです。
しかも、本裁判で、実験ノートを作成した被告職員または雇用されたテクニシャンの証人申請をしなかった理由についても、2月18日、以下の通りの上申書を提出した。
《本来であれば、本訴の第一次訴訟及び第二次訴訟がそうであったように、実験ノート作成者本人(または原告が実験ノート作成者本人に該当すると主張する者)を尋問するのが、組織共用性判断の基礎となる事実認定にとって直接的であり、単純明快である。しかるに、本訴においては被告が頑なに本件実験ノートの作成者を明らかにしようとしないため(被告準備書面(4)第3[3頁])、実験ノート作成者本人の尋問がかなわず、そこで、原告としてはやむなく、その代替措置として、間接証明である、実験ノート作成の経験者から証言を得るという方法を採らざるを得なかったものである。上記証拠申出が原告にとって残された唯一の証明方法であることをご配慮いただくよう申し上げる》
もし、この申請を裁判所が却下した場合には、原告の申請する証人申請等を行わなくても、被告の上記主張が誤っていることは当然と承知しているか、それとも被告の主張を予断を抱いて盲目的に鵜呑みにしているかのいずれかである。
裁判所の判断に注目したい。