2015年10月24日土曜日

【報告】2015.10.23第ニ次イネ裁判=第二次実験ノート裁判の第7回目の裁判と8回目の裁判のお知らせ

10月23日に、予定とおり、 第7回目の裁判を実施。
提出書類
原告 原告準備書面(5)   証拠説明書(5)
被告 被告準備書面(4)

 本裁判の中で、なぜ被告に実験ノート作成者の氏名を明らかにさせる必要があるのか、その理由を「事案解明義務」という観点から論じたのが今回の原告の提出書面
 原告準備書面(5)第1第2

              目   次
第1、事案解明義務について
1、問題の所在
2、「証拠の偏在など」の事案における事案解明義務

第2、事案解明義務の本件への適用
1、本件裁判における事案解明義務の有無
2、本件裁判における事案解明義務の内容(予備的考察)
 (1)、行政処分の取消訴訟の一般論
 (2)、特許法等における積極否認の特則
3、本件裁判における事案解明義務の内容(本論)
 (1)、本件裁判における具体化(総論)
 (2)、本件裁判における具体化(各論1――対象文書の特定について――)
 (3)、本件裁判の具体化(各論2――組織共用文書性の立証について――) 


今回提出した証拠は次の4つ。
証拠説明書(5)

タイトル
作成者
作成時期
3 4
論文「伊方原発訴訟最高裁判決と事案解明義務」
竹下守夫
1994年
35
産業財産権法(工業所有権法)の解説【平成11年法律改正】第4章 特許等の権利侵害に対する救済措置の拡充
特許庁
2000
36
東京大学大気海洋研究所教授 木暮一啓
2006.7.10
37
順天堂大学教授 平松啓一
2009.7.30

 被告準備書面(4)は、 以下の表の各実験(ただし、最後の実験は除く)が被告準備書面(3)で示された6つのタイプの実験のどれに当てはまるかを明らかにするという裁判所からの宿題に答えたもの。

書面・論文
実験の概要
著者(筆者)
本願発明のタンパク質を作り出す遺伝子を組み込んだ遺伝子組換えイネがいもち病菌などの病原菌にどれくらい強いかを実験。
川田氏
実験成績証明書(甲10)
実験1:本願発明のキャベツから取り出したディフェンシンタンパク質とダイコンから取り出したディフェンシンタンパク質のアミノ酸配列をい比較し、病原菌にどれくらい強いかを実験。
実験2:様々な種から取り出したディフェンシンタンパク質のアミノ酸配列をい比較し、いもち病菌にどれくらい強いかを実験。
同上
筆者らは、各種アブラナ科野菜におけるディフェンシン遺伝子の存在を確認し、その遺伝子群を単離するために、キャベツ、コマツナ、ノザワナ、ハクサイ、カブ、カラシナ、ワサビダイコンおよびナタネの合計8種類のアブラナ科野菜を供試[1]してディフェンシン遺伝子を単離した。(230頁右段13~19行目)
川田氏ほか2名 
筆者らは、酵母でのディフェンシンの発現系とともに、大腸菌での発現系の確立を目指して条件検討を行ない、大腸菌の培養温度の調節など条件の最適化によって、活性あるディフェンシン蛋白質を精製・回収する方法を確立した(図1)。(230頁右段下から3行目~231頁左段2行目)
同上
次に、カラシナ由来のディフェンシンを用いて、イネの主要病害の原因菌であるいもち病菌(‥‥)に対する抗菌活性を調べてみた・(231頁左段3~5行目)
同上
さらに同様の手法を用いて、イネの主要病害の原因菌の一つである紋枯病菌(‥‥)に対してもディフェンシンの抗菌活性を測定した(231頁右段1~4行目)
同上
筆者らは、植物型ディフェンシンの抗菌活性の増強に関わることが示唆されている4箇所のアミノ酸配列に注目し、1~4個所のアミノ酸置換を組合わせて合計15種類の改変ディフェンシン遺伝子を作製し、いもち病菌に対する増殖抑制効果を調べた(232頁右段24~28行目)
同上
筆者らは、いもち病菌や紋枯病菌といったイネの複数の重要病害の原因菌に対する増殖抑制効果を示すことをin vitro の抗菌活性試験によって明らかにするとともに、カラシナ由来のディフェンシン遺伝子を導入した組換えイネを作出し、複合病害抵抗性検定を実施した(233頁左段12~16行目)。
同上
筆者らは現在、ディフェンシン、抗生物質および農薬の有効成分を用いて耐性菌の出現頻度の比較解析研究を進めている。(233頁左段下から10~8行目)。
同上



[1] 性能を調べるために実験や試験などに提供すること。また、その物。(デジタル大辞泉
 

第ニ次イネ裁判=第二次実験ノート裁判の第8回目の裁判のお知らせ

日時:12月11日(金)午前11時30分~
場所:東京地裁8階803号法廷
    民事38部 

地図 ->こちら



                        東京地裁の建物全景 
 

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